「しゃぶしゃぶ」が海外でも人気の理由とは?旨味やヘルシーさに注目

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しゃぶしゃぶ

欧米にはない“薄い肉”を使うShabu-Shabuは
旨味溢れるヘルシーな肉料理

近年、日本を訪れた外国人観光客に人気の「しゃぶしゃぶ」。世界的に定着して久しい「だし」のスープで、たっぷりの野菜と肉を一緒に味わうというヘルシーさと、旨味広がる優しい味わいが受け入れられているようです。注目されるポイントは、欧米ではまず見ることがない「薄くスライスされた肉」。
ひょうたんやでもその厚みを0.8ミリと決めていますが、肉は基本「焼く」方法で調理される欧米に、肉を薄くスライスするという発想がそもそもなく、それだけで異国の不思議な料理。だしの地味深い味わいや、もともと日本独自の概念“旨味”の理解も広がっていて、しゃぶしゃぶのだし汁のまろやかで優しい味わいに魅了される方も多いようです。
日本を紹介するSNSでは、口に入れるととろけるようなしゃぶしゃぶ肉の食感と旨味に、驚きの表情を浮かべる姿を見ることができます。

そんな日本食好きのお客様に向けて英語表記のメニューを置くレストランも増えましたが、しゃぶしゃぶを英語でいうと…?
正解は、そのまま「Shabu-Shabu」。日本独自の食文化として認知されているという証ですね。あまり使われていませんが、もう1つの言い方として「Japanese hot pot」という表現もあります。その名の通り、熱い鍋、という意味ですが、イギリスにはすでにhot potという家庭料理があることから、「Japanese」と付けられているそうです。
ちなみにイギリスのhot potは、ラム肉と野菜を鍋に入れ、オーブンでじっくり焼き上げる料理で、しゃぶしゃぶに似ている訳ではありません。

しゃぶしゃぶはアジア圏で愛される鍋料理の1つ

では、しゃぶしゃぶに似たスタイルの料理は他の国にはないのかというと、アジア圏にはいくつかの国で愛されるしゃぶしゃぶ(風)の料理があります。

中国にはしゃぶしゃぶの起源となった「シュワンヤンロウ」があり、肉は牛でも豚でもなく、羊肉を使うのが大きく異なる点。貝柱や干しエビなどからとっただし汁に、薄切りの羊肉をくぐらせ、ゴマやピーナッツをベースにした、コックリダレでいただきます。

また韓国は、ピリ辛スープに野菜やエビ、タコ、アサリなどの魚介類をたっぷり入れていただくスタイル。にぼしでとったスープに、醤油とコチュジャンなどで味付けをしているので、タレや薬味は必要なし。韓国式うどんの「カルグクス」も欠かせない食材。

国をまたいで様々な「しゃぶしゃぶ」を食べ比べれば、新しい味付けやタレのアイデアが湧いてくるかも知れません。

海外の方から見ると日本のしゃぶしゃぶの「自分で調理して食べる」という楽しみ方も新鮮に映るようですが、鍋料理はどの国も共通して、みんなで食卓を囲むことで美味しさが増す幸せな料理。欧米の方に人気なのも、その点が大きいのではないでしょうか。


【参考URL】
https://tabiiro.jp/article/334/
https://allabout.co.jp/gm/gc/78482/

中嶋 和義

中嶋 和義

代表取締役

株式会社ひょうたんや 代表取締役 社長 趣味:ゴルフ、ウォーキング 和食を「時代に合わせて変化させる」ことを意識し、 ひょうたんやグループを展開